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ヘッジファンドの仮想通貨への挑戦 クロノスの例

 2018/09/02 未分類
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2018年8月30日 KronosのイベントがBlockchainProseed主催で行われた。

Kronosを起業した二人がヘッジファンドでの経験が長くそれを活用した仮想通貨を作ろうとしている。

ヘッジファンドとは? (金融市場の海賊にして流動性の供給者)

ヘッジファンドは明確な定義はない。およそ次のような曖昧なものがヘッジファンドと呼ばれている。

1.公募でなくて私募ファンドである。

ヘッジファンドもファンド(投資信託)の一形態だが、広く一般には公募しない。

例としては一口一億円からで、知り合いの金持に直接交渉して(不特定多数に宣伝はしない)投資してもらう等である。

それをやる理由は

1.公募した場合より遥かに規制が少なく投資活動を行える。

2.投資金を集める営業コストを大幅に減らせる。

3.小額のお金の増減でのクレームが少なくなる。(客数が限られ、かつ金持が自己責任を理解して投資しているため)

等である

2.ヘッジファンドの投資戦略

私募ファンドのため、投資戦略をかなり自由に組める。

そのため、ヘッジファンドとひとくくりに言っても、投資方法は多種多用である。投資した金持は結果さえ出せば基本方法は問わない。

例を挙げる。

1.システムトレード・クォンツトレーディング(クロノスはこのタイプ)

数学とコンピューター科学を駆使してトレーディングを行う。数学的な統計分析に心理学の知識も加えると、多くの人間の投資行動を予想して一歩先んじたトレードが出来る等のメリットがある。一定のルールを守り続けることで人間のお金を失うことへの恐怖感を克服できる。

クォンツトレーダー自身が気が付いてないかもしれないメリットの一つは、自分の作ったシステムがトレードするので、損害を出したときに、冷静にその原因をシステムの中に探し、その改善を行うことができることがある。

自分の裁量(意志)でトレードを行っている場合は、自分の判断でトレードを繰り返すため、トレードで失敗することどうしても自分を責めてしまう。そのためメンタルをやられてしまうが、システムに任すことでそれが軽減できる。

圧倒的メリットは、人間より迅速なトレードをし続けることができることだ。

現時点で、既に人間は、チェス、将棋、囲碁でコンピューターに全くかなわなくなっているが、それは、人間にコンピューターより遥かに多くの持ち時間を与えてもということだ。トレードという待ったなしの状況で、遥かに早く判断できて、それを、ネットを通じて瞬時に実行できることは、短期売買では人間の手動でのトレードの勝ち目がもうないということです。

2.ロングショート戦略(買いポジションと売りポジションの同時保有)

相場が上昇すると予想するなら、買いポジション(株を買って保有するポジション)を持っていればいい。

相場が下降すると予想するなら、売りポジション(株を持っている人から借りてきて、それを売って、後で買い戻して、返却すること)をもっていればいい。

ロング(買いポジ)とショート(売りポジ)を同時に持つことの意味は、

個別の株でこれは上がる、これは下がると分析してそれぞれロング、ショートと持つ場合もあれば、同一銘柄に同時に売りポジと買いポジを持つこともある。ヘッジファンドはこの方法を多用する。

ヘッジファンドのヘッジとはリスクを減らすという意味である。売りと買いのポジションを同時に持つことで、相場がどのような状況になっても、生き残る確率を上げることができるからである。上がれば、ロングポジションが利益をだし、ショートポジションが損出しても生き残れる。逆も同様。

ただ、ポジションをもつと、売りポジションには金利コストが発生する(株を借りてきているので、貸株金利というものが発生する)。

ただ漠然と、ショート、ロングで持っていると、コストが上昇して利益が無為に減少してしまう。

何のために、ヘッジファンドがこのようなことをやっているのかというと、

ヘッジファンドは、個人がやるとすぐに株価操縦に近いとみなされかねないトレードをしている可能性がある。

売りと買いでポジションを持つことで、自分で売ったり買ったりして、株価を操作しやすくなってしまう。

それが法律に引っかからない範囲でやっているとしても、個人のトレーダーとは不公平が生じています。

これらのことの証拠のために外部サイトのリンクを置いておきます。

HFTが個人投資家に不公平であることの詳細記事

https://www.jip.co.jp/report/detail.php?report=00210

以下に主にヘッジファンドとみなされる会社ほどショート(売り)ポジションを持っているデータを上げておきます。

2018年8月末の期間別の空売り金額情報です。(karauri.net より)

一位のバークレーズバンクは一兆円近い規模の売りポジションをもっていますから、日々の金利負担だけでも膨大です。

それだけのコストを払っても十分な利益となる仕組みがこのロングショート戦略の中にあるとみるのが自然でしょう。

(バークレーズバンクの歴史は長く、かつては奴隷貿易で利益をあげていたこともあります。)

3.レバレッジ戦略

株でいうと信用取引(実際は持ち金(証拠金)の3倍まで借金して取引金額膨らます、非常に危険な取引)のように

持っているお金の何倍ものポジションを持って取引することを 『レバレッジ取引』と言います。

ヘッジファンドはこれを多用します。ファンドの利益の20%程度がファンドマネージャーの報酬とるなる契約が多く無茶をしても利益を出す傾向が強いです。さらに、景気拡大局面ではその方がパフォーマンスが上がり、注目を集めやすくなり、資金が流入しやすくなります。

その場合、将来的なリスクはみんなで考えなくなる傾向が強いようです。

 

クロノスとは?

クロノスの創業者 ジャックとマークはコンピューターサイエンスで評価の高いカーネギーメロン大学の卒業生です。

マークはシタデル(大手投資会社)でクオンツトレーダーとして経験を積みました。

ジャックはBNPパリバ証券で経験を積みました。

2人ともコンピューターの知識を持って、ヘッジファンドの仕事をしてきました。

特にマークはプロのクォンツトレーダーです。

マークとは以前トレードの話もしましたが、トレードの知識も、コンピューターで活用したトレーディングにも豊かな知識と経験を持っていることがわかりました。

彼が特に得意とするのは、HFT(Hyper Freaquency Trading)で人間ではできない、超高速で頻繁な取引をコンピューターにさせるものです。特に以前日本市場でも巨額の売りポジションをもっていたシタデル(投資会社)でロングショート戦略かつHFTを多用していたとのことです。スキャルピング(頭皮のように薄い利益を積み重ねて利益を出すトレーディング)をしていたらしいと話からは伝わってきてました。(これはイベントではなく、彼らと私の会話から)

人間が株式取引の注文をだすと、システムがそれを瞬間早く察知して先回りして売ったり買ったりすることで利益を出すシステムも市場には多くあります。それに関わっていたことまでは、明確にはききだせませんでしたが、それにも詳しく察してくれという雰囲気でした。

クロノスはこの日のイベントでは、あまり具体的にははなしてもらえませんでしたが、

仮想通貨を活用することで、今までは一部の富裕層向けにしか提供されてこなかったこれらのヘッジファンドの機能を広くクロノスのトークンのホルダーに提供するということを目指しています。

まだ、彼らにとっても計画をそれほど具体的に話せる段階にないのようにみえますが、今迄の流れからするとそう予想されます。

トレーディングの技術を提供するのではなく、クロノスのトークンを使って、資金を作り、それを彼らのクオンツトレーディングして利益をあげる。それにより、トークンの価値が高まるのか、トークンに配当が発生するのかまでは彼らもまだ話せる段階にきてないようでした。

ファンド的な運用をすることは、ジャックに直接確認取れました。技術を切り売りする気もないことも。

イベントの内容(End of ICO)

オープニング

BlockchainProseed主催者 田口さんより

(筆者注:田口さんもトレード経験が長く、自らトレード用のプログラムも作った経験のある方です。)

最近は投資信託の相談をうけることが多いが個人的にはお奨め出来ない。(手数料の高さや機動的な投資ができないことを理由としてあげていた)

今はスマートコントラクトの開発をしている。

自分でも10年間投資をしてきたが、コミュニティーに入って勉強すればもっと早く技術を学べたと思っている。

コミュニティーにはいることをおすすめする。

今日の話も、コミュニティーからの話として訊いてみるとよいと思います。

スマートコントラクトについても、ウォレットメインからスマートコントラクトがどんどんできてくると予想している

仮想通貨は国籍がないので、国をまたいで自由に送金できるのがメリット。100万円で最大でも数千円しかかからない。

クレジットカードは4%も取られる。

クロノスCMO ジェニファーからのプレゼン

 

彼女は、最初、仮想通貨を持っている人はいますか?と質問を投げかけコミュニケーションを取りながらプレゼンを始めた。

ICOが終わりけている理由

ICOは2018第一四半期をピークに 第二四半期 第三四半期と減り続け資金が集まらなくなってきている。

とだけ説明。

(筆者注:ICOという手法は、これから事業を始めようとする人にいきなり株式上場益のように大金をあたえてしまうため、そこから事業を継続する意欲を持つのが難しい仕組みであることに問題があります。その仕組みを改善するプロジェクトが複数立ち上がっています。仮想通貨を使った資金集め自体は今後も、形態をかえて続いていくと思われます。)

クロノスはクオンツトレーディングを得意としている。

(マーケットで起きることを予想して取引をおこなうものとの説明をここではしている)

(創業メンバーの)マークは香港の大学等を飛び級で卒業してカーネギーで学位をとりCitadelで活躍した クゥオンツトレーダー

マークはマルチストラテジーモデルと 短期予想トレード マシンラーニングと 高頻度トレーディングで活躍してきた。

BUY and HOLD  is NEVER   OPTIMAL strategy

筆者注:マークの手法が超短期の頻繁なトレーディングなので、長期保有する投資スタイルは決して最適な方法でないという説明をしている。

クロノス Funding Patoner Jack Tan

マークとはカーネギーメロンで 2002から2006年同窓 同時期にマークは3つも学位をとっていた。

自分はBNBパリバにいった。

マークはシタデル(大手投資会社)でのトレーディングによりリーマンショックのときですら大きく利益を上げた。

筆者注:シタデルはショート(売り)ポジションを大きく取る戦略だったため、リーマンショック時の下落局面で大きく利益が出たと思われる。

クロノスでやりたいことはシタデルで彼が使った手法を使い仮想通貨で利益を上げること。

シタデルは数億円では相手にされないようなヘッジファンドだった。

KRON Token

ユーティリティートークンはユーザーが増えれば価値が増えるはずが、

実際は初期の投資家が設けて、最後は小口に売ることがおおかった。

それを止めたい

クロノスはビットコインを超えるパフォーマンスを超えるトークンを提供する。

(日本株への投資パフォーマンスが日経平均を超えるように)

筆者注:ファンドは通常、ベンチマークとなる指標との比較でその価値を評価される。日本株へのファンドなら日経平均をどれだけ超える成果を出せたかが基準となることが多い。ジャックがビットコインを超えるパフォーマンスを出すと発言したのは、彼らが仮想通貨トレードを行い、ビットコインをベンチマークとするということである。

(筆者注:クロノスのやり方はシタデルに似ているハズなので

ショートを多く持つから彼らが公開してくれた過去データへのシュミレーション結果でも

2017年のようにビットコインが大きく上昇した時はパフォーマンスで大きく負ける。

2018年のようにビットコインが下がっている時はパフォーマンス大きく上回っていた。)

マーケットメークもやる計画。(流動性確保のために)

自分のトークンの取引量を確保しているので、マーケットメークで、流動性と価格安定性を確保できる。

ヘッジファンドは世界トップ5%の人向けの特殊な投資と思われているが、それを多くの人に提供したい。

パートナーにはwanchain 等 ICOに投資してきたが、最近はICOでは利益を出すのが困難になってきたので新しい投資先を探している投資会社が入っている。

バイナンスの最近のICOでも半分以上が下がっている。

そのためkronosは新しい投資先として注目されている。

筆者注:クロノスメンバーは金融業界の経験が長いので、流動性の重要性をよくりかいしているのでこの発言をしている。

実際、いざというときに売れない(売る相手がない) 買えない(買う相手がない)ことは、その銘柄や市場への信頼を著しくそこねるものなのです。

クロージングトーク 藤本真衣

ヘッジファンドの技術が仮想通貨の市場で活用されるとどうなるかを聴ける機会を持てた事、

色々なブロックチェーンの活用事例をプレイヤーから聞けるのは良い機会だと思っていると話、要点をまとめて話した。

まとめ ヘッジファンドの脱中央集権への期待

資本主義社会では富めるものはさらに富み貧富の差は日々拡大されてきた。

それにヘッジファンドはある程度貢献してきた。

富裕層の資産の運用を、一般人より有利に行うことで。

クロノスが、ヘッジファンド運用で得た技術と知識を、トークンを使うことで、一般の人に開放してくれること、

それにより、個人の金融資産の世界にも脱中央集権ともいえる格差崩壊の動きが起きることを期待している。

さらに言えば、トークンエコノミーでは、コミュニティーが共通して持てる価値観を育てることでそのトークンが新しくて価値を成長させていく通貨のようなものになることを期待されている。今までのヘッジファンドは、お金の奪い合いでの力の競い合いをしているに過ぎなかった、その高い知性を価値を自ら育成することに使ってくれることを期待する。

余談 ヘッジファンドを始めた男の御曹司の話

2000年はネットバブルがはじけた年だった。ソフトバンクや光通信がストップ安10何日でいきなり株価10分の1とか起きたのである。

その頃僕は、東京、ニューヨーク、ボストン(アメリカの金持が多い街) で投資家向けロードショウをしていた。

そのころそれを仕切っていたのが、アメリカである証券会社を創業し、ヘッジファンドを作った男の一人ともいわれていた人の御曹司である。因みにそのお父さん(ヘッジファンドを作った男(諸説あるが)にもニューヨークであったが、当時70代で背筋が伸びて長身で細身でかっこいい人だった)。

その御曹司は当時5000億円くらいをヘッジファンドとして運用していた。僕はそれをどう運用しているのか訊いてみたことがある。

彼はあっさりこう話した。

「日本株は4つの株を買っている。 ヤオハン、ダイエー(この2社は倒産した)、ソフトバンク、ヤフー(この2社はネットバブル当時それこそ何十倍、何百倍という株価成長を遂げた)2社潰れたけど、2社のパフォーマンスがスゲー良かったから、OK OKだ。」

私はマジに椅子からずり落ちそうになった。そんな大金をそんないい加減な運用でいいのかと。

その後ネットバブルがはじけて、彼も色々あったようで、ニューヨークからオーストラリアのどこかに引っ越した。

ものすごくもてて、ものすごく金持なのに、僕には「本当に俺はもてなくて、貧乏だ。友達の**はビルゲーツの資産運用任されているから、俺の10倍の資金運用している」と夜中の東京のプラザホテルの喫茶店で、陰鬱な表情で、マジメに話していた。最初僕は、自分のような本当にもてなくて金もない男をからかっているのかとも思ったが、どうやらマジらしい。

彼は、日本人の女性と結婚し、奥さんには頭が上がらないのに、盛大に催された自分の誕生バーティー(欧米のセレブは歳とってもやる)に元カノが何人もくるという、欧米社会の不思議を見せつけていた。

ヘッジファンドは横のつながりが強くて、彼経由で色々な人にあったけど、結局人間はどんなにお金があっても、守りに入ると、途端に退屈したり、暗くなったりしてしまうものらしいことを、学ばせてもらいました。

一生守りに入れそうもない、自分もどうかとも思ってます。

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