イスラエル・Blockchain IL選りすぐりBancorなど6つのプロジェクトのミートアップ開催!!
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2018年6月25日 ブロックチェーン先進国イスラエルから選りすぐりの6社を選び紹介するイベントが招待制で行われた。
イスラエルブロックチェーン企業を厳選して紹介するまで
ミスビットコイン、藤本真衣(MAI)に恩義を感じているこの分野のエキスパートの一人(大手投資グループの責任者)が彼女のために、イスラエルの有望ブロックチェーン企業のアポイントをまとめて設定した。
彼女はイスラエルに行き、それらの企業に全てあった。その中でも特に有望かつ、社会的な有用性が高いと判断した会社を6社を日本に連れてきて紹介することとなった。
招待制で限られた告知でしたが一週間で予定通り約200名集まりイベントが行われました。
私(KUMA)は多くのブロックチェーンイベントに参加してきました。MAIの主催するイベントは特に印象が良かった(技術、有用性、人格)ためこのメディアを立ち上げました。今回、このメディア内でMAIのイベントを紹介することとなりました。
会場は表参道で 席は70席、30名程はセミナーを立ち見してました。残りの100名はセミナー会場とパーティションで仕切られた立食パーティーを楽しんでいました。
ミートアップには隣のパーティーの会話や笑い声が入ってきましたが、それが活気を生じさせ、プレセンターもそれを楽しむかのように講演を行いました。
有望ブロックチェーン企業のキーパーソンと酒飲みながらカジュアルに話せる、写真のように華やかな女性も多い、贅沢な集まりでした。私が招待して参加してくださった方々もとても喜んでくれていました。
MAI(藤本真衣)のオープニング
イスラエルがブロックチェーンに強い理由
この3つをここでは上げておきます。現実にブロックチェーンに真剣な国なのです。理由は後付けとなってしまっています。
a.ブロックチェーンの根幹になる暗号化技術、セキュリティーについてイスラエル歴史的に強く技術的素養があった。
b.文化的にも歴史的にも、起業家精神が旺盛な国民が多い。
c.ユダヤ人国家であり、金融の分野に圧倒的な経験を持つ民族に仮想通貨という新しい通貨のバックボーンとなっていて他の分野にも広く適用できるブロックチェーンとの親和性が高かった。
ブロックチェーン企業 プレゼンテーション
BlockchainIL
ICOのフルサポートをする企業です。今回プレゼンした他の企業もクライアントとなっています。
この分野で既に6年の経験があるのは立派なことです。世界的にはまだ規制対象としての議論もされているICOについて6年の経験を持つアドバンテージは大きいです。
株式公開(IPO)までをサポートしたのがVC(Venture Capital)ですが、
ICOをサポートする会社も複数できています。詳細はリンク先をご覧ください。
Olam
ロジスティクス(物流)のプラットフォーム提供を目指す会社です。
物流とブロックチェーンの親和性は高く、Skyfuchain SHIPNEXT
も同分野の企業として、私の別メディアですでに記事化しています。
その2企業とどう違うのか質問したところ、知らないとのこと出した。
競合より、協業がブロックチェーンでは大切であり、相互運用できるプラットフォームを目指しているという回答でした。
NPOのような形態の組織らしく、IT製品のシェア争いのようなことをするつもりではないことを、
紳士的な二人の方がご回答くださいました。ガツガツした印象がまるでなく、
淡々と社会の新しいインフラを作ろうとしているという印象でした。
Proof of Concept という言葉を初めて彼らから聴きました。ロジスティックの分野は今も成長産業で同時に非効率なままなのでそれを劇的に改善したいそうです。例えば貨物船による輸送で最低300枚以上の書類が必要になる。それをスマートコントラクトで出来るようにしたい。といくつか具体例をあげて説明されてました。
紳士的な2人のプレゼン風景
HHUB
イスラエル軍の技術を応用して軍事レベルのセキュリティーを提供すると説明していました。
具体的に提供されるのは仮想通貨向けのハードウェアウォレットということです。
自分たちのソリューションのプロトコルを持っている。バッテリーで動くセキュリティーブルーツゥース
製品に多くの軍事技術を使っている。HUB custodian dedicated hardwareとも言っていたので、
ウォレット以外のハードにも応用してくるはずです。
さて、ここからは私の憶測も含めたことを書きます。
イスラエルは、世界最高のファイアーウォール(ネットの外と内のセキュリティーを守るための製品)をもち、ITセキュリティーについて常にトップレベルの技術を持つ国です。それは軍隊として、サイバーアタック(攻撃側)の技術研究も世界トップレベルにあるため、世界中のハッカーがイスラエル軍から見れば、子供のレベルなのだと思われます。
ハッキングの技術もあり、それを知るが故にディフェンスの技術も高い。なぜなら、どんな攻撃をしかけられ可能性があるかを、攻撃側の立場も知った上で対策を打てるからです。
だからプレゼンでも、イスラエル軍のセキュリティーをあなたも手にできると自信をもってアピールしてました。
ウォレットに限らず、そのハイレベルなセキュリティーを多方面に応用したいというのがこの会社の最大の目的に見えました。
ハードウォレットを手にしたプレゼン
MOBILECHAIN
「みんながブロックチェーンを使うようになるためには、誰でも持っているスマートフォンでブロックチェーンを使えるようにするしかない」 ということをコンセプトにしていました。
内容はリンク先をご覧ください。良い会社にみえました。ただ、私からこのHPに対して付け加えられるところがあまり見出せませんでした。
モバイルチェーン プレゼン
Zeex
ギフト券販売大手の会社の子会社として安定した経営基盤のもと、
仮想通貨で現実の買い物が簡単にできるようにしています。
プレゼン内では、スタバでイーサでカフェラテをあっさりスマホで支払いできることを実現していました。
プレゼンでは以下のことを話していました。
仮想通貨だと流動性が不足して結局法定通貨で買うことになることが多い。
ドルと円 仮想通貨は手数料が高くて、結局払う金額があがることがおおい。
規制の変更も多いので使いにくい。
有名ブランドを仮想通貨で買うことをできるようにする。
それにより仮想通貨の普及を促進する。
世界初の仮想通貨とプロダクトを結ぶサービス。
ギフトカードのサービス会社が親会社
既にオープンプロトコルで決済できるシステム
この会社は、既に現実の買い物に対して具体的ソリューションを提供しているので
別記事で良く調べてよりくわしく書くこととさせてもらいます。
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edf
Bancor
この会社は昨年既に15300万ドルのICOに成功しています。
それでもこの日も一番の注目を浴び、質問は止まりませんでした。(私も質問しました)
「流動性(リクィデティ)こそがお金の命である。」
ヘブライ語では「お金は血と同じとされている」 という説明があり経済やお金の本質とは何かについて関心をそそらずにいられない会社なのです。
お金と血を一緒とするとは、
”存在と流動性” 同時に両立しないと、死ぬことを意味しているのだと思われます。
Bancorは第二次世界大戦中に
ケインズ
により提唱された世界通貨の概念です。
各国法定通貨がその規模と貿易額に応じた準備金を積み立て、各国中央銀行のさらに中央銀行となる機関をつくり運用するハズでした。アメリカの強硬な反対によりそれは中止されました。同時期に、世界の基軸通貨はイギリスポンドからアメリカドルに切り替わりました。ポンドは基軸通貨でなくなることで価値を一桁落としました。アメリカドルは今も基軸通貨であることでアメリカはその絶大な恩恵を受けていますが、その立場はかなり弱くなってきています。
トランプ大統領の唱える アメリカファーストは、ドルをアメリカ以外の国も買い続けたことで成り立ってきたのです。
自由貿易の流れが減速することは通貨の流動性が下がることに直結するでしょうから、アメリカこそがその最大の試練が訪れるように思えるのですが、トランプ大統領はそれを理解してないかのように振る舞っています。(実際はわかっているのか知りませんが)
そもそも、一国の通貨が世界の基軸通貨であることに無理があるのです。それは特別強い国が実質世界を支配している状態でないと維持できません。
Bancorが提案された背景にはナショナリズムが戦争の原因になっているから、経済的にそれを抑制しようという思いもあったはずです。
さて仮想通貨では、あまりに多くの通貨が乱立したことで、まともに売買されない、流動性の低い通貨もあります。それにこのBancorの概念を導入して、かつIT時代ですから、より緻密にコントロールできるプロトコル(準備金と流動性の相互に必要な金額をリアルタイムで計算可能な機能も含め)用意して、仮想通貨時代にケインズの提案に近いものを復活させたのです。
ただ金融の根本問題は準備金を超えた売りがでれば対応できないので、そのときBancorがどのように動作するのか、私には理解不能です。
というか率直に言えば、その部分については悲観的です。
私はただ率直に
「流動性が不足している場合にどうやって価格をきめるの?」
ときいたら、プレゼンターは軽くウィンクしてホワイトぺーバーに数式で説明があるからみてくださいと言いました。
数式で金融の全てが解決しないのは、デリバティブで実証されています。それでもこの試みは面白いと思っています。
想像しやすいのはユーロです。ヨーロッパ統一通貨からイギリスは脱退し、ギリシャも経済危機を迎え、通貨を統一すればすべてがうまくいくわけではないことも既に実証されました。ユーロにはBancorに似た概念が導入されているよねと、プレゼンターとその後話したら、ユーロの制度設計実現に貢献した人物が現在Bancorの役員にいると言っていました。
バンコールは、お金とは何か? これからのお金はどんなの物になるか? の本質に切り込んでいるため
質問が途切れずその時の写真です。通訳の土田さんも苦労してました。
追記
バンコールの数式の理解を試みて想像出来たことがあります。
発行量、準備金、価格、それぞれが連動してそのたびに動くので、流動性を維持するという大目標ために、固定して考えられるものが準備金の率だけになってわかりにくいかと思っていました。
ただこれは現在の法定通貨がこれほどは柔軟でダイナミックに連動できてないからそう感じるだけなのかもしれません。バンコールは運用経験がさらに蓄積していかないと、わからない部分も多いですが、(画期的過ぎて)未来においては、現在の法定通貨よりバンコールの方が細かく連続的に動くので妥当だとみなされるようにもみえました。
私が、数式だけで解決しない事が実証されてきていると書いていましたが、それでは技術革新による変化を漠然と否定してしまっているに過ぎないので追記しました。
食事も良かった!!!