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Kyber Network:仮想通貨の流動性メーカーそのVISA MASTERとの差異

 2018/11/02 未分類
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Kyber  Networkは詳しい方はその重要性を認識していますが、説明が容易ではないプロジェクトです。

そのわかりやすい説明を試みます。

Kyber NetworkとVISAやMASTERのクレジットカード

Kyberがトークンエコノミーで行おうとしていることは,

実経済でクレジットカードが担っている役割と似た部分があります。

そのため、まずクレジットカードが法定通貨に果たしている役割を考えてみます。

海外旅行に慣れている人は旅行先でなるべくクレジットカードを使用することが多いです。

何故でしょうか?

1.通貨の交換レートが現地の両替商より有利

通貨の両替の条件は現地でも、場所によりかなり差があるものです。

その中から、有利な両替商を探す場合が多いのですが、

旅から帰って、後でクレジットカードの明細表をみると、

クレジットカードの両替条件の方がはるかに良いことに気が付きます。

街の両替商は人が処理していますし、クレジットカードより遥かに少ない金額を扱っているので、少し考えてみれば当たり前のことです。

2.使用した金額だけの両替で済むのでおつりがでない

海外旅行で慣れない場所に行くと、現地の通貨が足りなくなることの心細さから、ついつい必要以上の余裕をもって多めに両替してしまうことが多いです。

帰国時に、現地通貨が余ってしまい。また高い手数料を払って自国通貨に両替するか、あきらめてそのまま持ち続けるかとなることが多いです。

もし現地通貨を持たずに、全ての支払いをクレジットカードで行っていれば、おつり自体が発生しようがなく、かつ無駄な両替手数料をはらうこともせずにすみます。

3.多額の現金を持ちながら旅をするリスクを軽減できる。

現地の通貨を大量に持つ、現地に不慣れな旅行者が現地の犯罪者から狙われやすいのは容易に想像できることです。

それに対してクレジットカードなら、一定金額以上は本人のサインが必要ですし、紛失盗難の場合は届け出ればすぐ使用を止められる。

現実世界とトークン世界の比較

これらは、現実世界が国ごとにそれぞれ違う通貨が発行されて現地で使用されているから起きる現象です。

それに対して、クレジットカードを現地通貨の代わりに利用したほうが、便利なことの多い状況になっています。

仮想通貨やトークンの世界には国はありませんが、それぞれの仮想通貨やトークンごとにコミュニティーがあり、それは現実世界でいえばあたかも小さな国のような経済圏をもっているともいえます。

ただしそれは、ほとんどの仮想通貨トークンで非常に小さな経済圏となっています。

仮想通貨全体の経済圏がまだ小さいのに、2000以上のトークンがある状況です。

しかもビットコインとイーサリアムがその全体の経済圏の過半をしめていることからも想像することができます。

全てを合算してもまだ小さな経済圏なのにその中に2000以上の国がひしめき、それぞれが別の通貨を使っているのが今の仮想通貨の世界なのです!

Kyber Networkはこの仮想通貨の世界に、現実世界でのクレジットカードのように、使うときだけ瞬時に自分の持っているトークン(仮想通貨)を使いたい対象が受け取ってくれるトークン(仮想通貨)に変換する、プロトコル(技術的な枠組み)を提供しています。

そのプロトコルは多くの人にとって理解容易なものでないとしても、その目的はほとんどの人にとって有用なものとなりえます。

現実世界でクレジットカードが広まってきたように、仮想通貨の世界でKyber Networkのサービスが拡がっていくかもしれないのですから。

クレジットカードのとの大きな違い

クレジットカードは巨大な会社により提供されています。主なものは以下のものです。

7大クレジットカード

・VISA(ビザ)
・Mastercard(マスターカード)
・銀聯(ぎんれん、UnionPay)
・JCB(ジェーシービー)
・AmericanExpress(アメリカンエキスプレス、通称:アメックス)
・Diners Club(ダイナースクラブ)
・Discover(ディスカバー)

これらの会社は自社の利益を追求している中央集権的な企業です。

それに対してKyber Networkでは、

それぞれのクレジットカード会社が法定通貨にサービスを提供するために用意しているバックエンドの技術を、トークンに対して解放してあげようとしている。

それにより、分散型のまま、どこにも中央集権的な会社はいないまま法定通貨についてのクレジットカードのような利便性をトークンや仮想通貨に対して持つことができるようにしようとしている。

おおよそはそういう例えで理解していただくことでよいのではないかと考えています。

もちろん法定通貨の決済に利用されている技術とトークンの流動性と決済のために利用される技術は違うのですが目的は一緒でそのわかりやすい例えとしてこのように表現してみました。

The On-Chain Liquidity Protocol

Kyberネットワークが掲げるこのプロトコルは

Enabling Decentralized Token Swap Everywhere

という彼らの目的を達成するためにあるのですが、

この背景にはおそらく、こんな思いがあるのでしょう。

トークン種類が多すぎて、簡単に交換できるようにならないと使われない、変わらない。進歩しない。

そのうえでKyber Networkは自社の目標を以下のように定めています。

Any Token  Anywhere (あらゆるトークンをどこでも使えること)

他の資産でもそうなのですが、流動性(売買活発性と使える場所の多さ)を十分に持っているものは意外なほど少ないのです。

上場株式ですら、大型株以外は、一日に一回とか数回しか売買発生しない銘柄も多くあります。

ましてや2000種類以上もあるトークンではそのままでは流動性が確保できず、使用も拡がっていきません。

ブロックチェーンにもトークンにもどんなに有用性があっても、実際に売買できないのでは、無価値です。

そのため、複数のブロックチェーン間での交換を可能とするクロスチェーンの技術とサービスをKyber Networkは提供しています。

自動化された両替商が各ブロックチェーンの両替を24時間リアルタイムでスタンバイしているようなイメージです。

さらに、交換するためのトークンを一定の条件でそのネットワークに準備金のように預けてもらうことで即時に他の通貨と変換できるようにしています。

ビットコインから始まった脱中央集権、分散化の思想を維持して発展するためにはトークンの多様性は維持する必要がある。

その上で流動性を高めるには、リアルタイムにそれぞれのトークンの交換を可能とすることこそが解決策となるとKyber Networkは考えたのでしょう。

筆者なりに要約すると以下のことを彼らは目指しているのだと思われます。

トークンごとの多様性を維持したまま、その違いを吸収して同一トークンであるように利用できる技術の提供

WBTC(Wrapped BTC)

KyberNetwork、RepublicProtocol、BItGo

の3社が主導して、ビットコインを担保としたイーサリアム上のERC20ベースのトークンを2019年の1月から運用することが発表されました。

以下の会社からこのプロジェクトへの賛同が既に得られています。

MakerDAO、Dharma、Airswap、Gnosis、IDEX、Radar Relay、Compound、DDEX、Hydro Protocol、Set Protocol、Prycto

流動性は、それに参加してくれる会社が多くなるほど上がり、好循環を生み出します。

またBItGo社がカストディーサービス(仮想通貨保管サービス)を提供することとなっているので、担保となるビットコインの保有証明もだしやすいハズです。

ビットコインはイーサリアムほどトークンとしての機能が多くないため、資産としては最も確からしい価値のある仮想通貨でありながら、イーサリアムがほうが使われていることも多くありました。このサービスにより、ビットコインとイーサリアムのいいとこどりをして流動性を高めることをKyberNetworkは狙っていると思われます。

Kyber Network CEO Loi Luu の印象

これだけのことをなし遂げている男ですが、まだ大学の博士課程を出たばかりの若さで、控えめな、印象の方でした。

 

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